国語学習のポイント 作文に何を書けばいいのか?

Q 作文にはを書けばいいのか?
A 自分に起こった変化を書いてください。

◇体験作文の場合は、その体験を通じて、自分がどう変化したのか?
◇読書感想作文の場合は、その本を読む前と読んだ後で、自分がどう変化したのか?
を書きます。

このとき重要なのはそのが、矢印がちょっと上向きの変化であること。つまり、成長であることです。

そして「成長」を書くためには、「成長」への気づきを得ることが必要です。
気づきを得るための思考のプロセスが、以下の4つのステップです。

STEP1
まずは、書く対象(テーマ・題材)についての理解を深め、掘りさげます

体験作文であれば、できごとをよく思い出し、誰かの言ったことや、目に見えない部分(五感で感じたこと・考えたこと)まで含めて、題材をそろえます。このときのコツは、「いちばんのこと」(いちばん印象に残っていること)や、「疑問に思ったこと」、そして、何かにチャレンジした体験ならば、「いちばん難しかったところ」に重点をおいて思い出すことです。

読書感想作文なら、書かれている内容について、やはり「いちばんのこと」「疑問に思ったこと」を中心に、頭の中にある題材を構想図に書き出していきます。


STEP2
STEP1であつめた題材を、自分の経験に照らし合わせます。キーワードは「似た経験」です。ものごとは違うけれど、前に似た経験をしたことがないか、そのときに比べて今回はどうか、といった具合に思考をつなげていきます。

読書感想作文の場合も、「似た経験」が重要です。自分にも、登場人物や筆者の説明していることと、似た経験がないか、さらに「自分ならどうするか・自分ならどう考えるか」というふうに考えを進めていきます。

「経験がない」という子がいますが、家族から聞いたこと、本で読んだこと、ニュースなどのテレビ番組で見聞きしたことなど、間接的な経験でももちろんいいのです。じっくり思い出して考えれば、かならず何かあるものです。


STEP3
STEP1とSTEP2の思考によって得られた、新たな発見・アイデアや意見について書きます。
このSTEP3が、作文の中心テーマになります。

おもしろい!と思ったら、それも立派な発見です。また、STEP1で抱いた疑問への答えが、なにか見つかっていないか、難しかったところを、どんな工夫で切り抜けたか、そんなことを、読む人に教えてあげるつもりで、または自慢するつもりで、思いっきり書きます。


STEP4
最後はまとめです。よく、まとめとして、これまで書いた内容をコンパクトに縮めて書くことがありますが、それはレポートなどの場合で、作文の場合は違います。

作文のまとめとは、STEP3で得られた発見・アイデアや意見を活かして、これからどうしたいかを書くことです。

STEP3を終えた時点で、もう今の自分は、作文を書く前の自分ではありません。新しく成長した自分です。だから、その力を使って、これから挑戦したいことを書くのが、まとめの内容になるのです。


大事なこと
は、上記の1〜4のステップを、思考の型として身につけることだと考えています。そうすれば、どのような経験に対しても、積極的で前向きな姿勢で、楽しみながら取り組むことができるようになります。
その意味で、作文とは、成長のための最適な学習ツールであり、成長のプロセスそのものです。

TORCHの活動においても、この点をとくに大切にして作文指導を行なっております。